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「…いい、の、そ…」
それで知り合えた。
辛かったけど、こういう過程を通ることになって、むしろよかったんだと今は思う。
三浦くんを深く知ることができた。
でも。
そう思っても涙は簡単に止まってはくれなくて、うまく喋れない。
抱かれた肩は駅を通り過ぎ、人が少なくなると離された。
堤防につくと、その高いコンクリートにもたれかかるようにして三浦くんが言う。
「俺さ、かなり変わってるって言われんだけどさ、どうでもいいんだよ。そのいくつだから童貞恥ずかしいとか、まわりの友達の経験値が上がっていくことも。なんか、別に、ぜんぜんってカンジ。30でも40でも別になんとも思わねーと思う。そんなの自分が好きな相手じゃなきゃ意味ねーことだし……」
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