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『もしもし、リオ?あんさー、いま暇?』
夜の11時
大学の友人から
かかってきた電話
俺は今
ナンパされた
男と一緒にいた
顔が好みだったけど
いま、確信した
こいつはちがうって
「んー、ひまだよ。なに?」
『俺の知り合いがすぐに男、用意できねーかってゆーからさ』
「なんで、俺?」
俺が軽い
ホモじゃないって
こいつには説明したはず
なんだけどなぁ
『いや、お前の好みだと思うから最初に電話した』
やっぱり
こいつはいいやつだった
えへへ、さすが
俺の友達
「ほんと?好きだよ、永瀬」
『はいはい、じゃ、メールでホテルの場所送るから』
俺の好きなんて軽いもので
好きじゃない人にだって
目を見て言える
永瀬のことは
友達として好き
永瀬もそれをわかってて
流してくれるからほんと好き
「はーい、てことで、ごめん、おにーさん、約束できちゃった」
俺は電話を切るなり
横で寝てる相手にそう言った
そしたら
メアドとTEL番を
聞かれた
君とは合わないって
わかったから
連絡先なんか
教えないよ
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