悲しみの果てに見えた景色

忘れもしない過去

経緯はこうだ。

いじめのことが親にも伝わり、転校を勧められた。

しかしそれを二葉は断ったのだ。

もちろんそれは翔太と会えなくなることが嫌だから。

親はそれを渋々承諾し、二葉はそのまま学校へ通っていた。

しかし益々様子のおかしくなっていく娘を見て、親はもうあの学校へ通わせることはできないと強制的に決めてしまったのだという。

実際親の立場になってみれば当たり前のことだとは思うが、翔太はその事実を受け入れることができなかった。