2/20
前へ
/85ページ
次へ
2020年 7月12日 朝7時 日本 開拍市   目が覚める。 いつも通りの一日だ。 顔を洗い、歯を磨き下に降りる。 「ふわぁぁ…」 「朝から大きなあくびね」 妹の亜希が話しかけてくる。 「おはよ」 挨拶を交わし朝食の席につく。 「ばあちゃんは?」 「町内会」 「ふーん」 パンにジャムを塗りながら、他愛のない会話。 テレビではニュースがやっている。 キャスターはおかしな事を言っていた。 「ええー!ロンドンの街が氷漬け!?なにこれ!」 亜希がすごい勢いでびっくりしている。 朝から元気な奴だ。 「これから夏だからなー。涼しくなっていいんじゃないか」 「そういう問題じゃなくない?!」 ごちそうさま、とパンを食べ終え食器を流し台へもっていく。 ピンポーン!と家のチャイムが鳴り響く。 「春香ちゃん来たよ」 「ん」 いつもながらにベストタイミングだな。 あいつ、俺の生活習慣全部把握してそうだ。 「おはよー悠斗!」 ドアを開けるといつもの笑顔。 幼馴染の天ヶ瀬春香。 子供の頃から同じ学校で、今も同じ高校に通っている。 こいつが毎日起こしに来るせいでおちおち寝ていられない。 「亜希ちゃんもおはよー!」 「おはよー。一ノ瀬家の朝は春香ちゃんの笑顔で始まるのです」 にししと亜希は笑う。 「我が妹ながらいやらしい顔だな」 そうして俺と春香は家を出て、学校に向かった。
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加