序章~漂流~

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「ねぇねぇ!?大丈夫!?」 ネリアは少年の肩を揺り動かす。 しかし、 「………………………」 反応はなかった。 「大丈夫!?ねぇ!」 だがネリアも倒れている人を放っておくわけにはいかない。 必死に肩を揺らし続けた。 「…………………ぉぁぁ…」 「あっ!もうちょっと!! 頑張って!!」 ようやく少年は反応をみせた。 ネリアの手にも力がこもる。 でも、 「えぇーい!まどろっこしい!!さっさと起きぃぃぃ!!」 「………ごふぇ!!??」 ネリアの必死さを完全に打ち消すように、ネイテルの垂直落下の頭突きが少年の頭部を強襲する。 加速度をつけた隠された特技である。 「ちょっと!?ダメだよ!!」 当然ネリアは驚き叱咤するのだが、 「ほれみい、意識戻ったみたいや」 悪びれた様子もない。 確かに意識は戻ったのだが、やり方がなんとも原始的というかなんというか。 「あぁもう!それよりあなた、大丈夫!?」 ネリアとしてももっと気遣った起こし方があるだろうと思いつつも、ネイテルのいい加減さはきっと治らないと半ば諦めモード。 だからいきなり頭部へのダメージを受けた少年の身を案じた。
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