序章~漂流~

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「急げ、いそげ!」 ラナからロール貝の採取を頼まれたネリア。 いつもラナにはオマケをしてもらったり、安く譲ってもらっている。 一人と一匹(?)で暮らすネリアにとってとてもありがたい。 ネリア自身も店を開いているのだが、それでも助かるものだ。 ただ、いつまでも甘えてちゃいけないなと思う心もある。 ネリアも後少しで16才になる。 そろそろ一人でも!っと思う今日この頃。 「むぎゅう~~く、苦しい…」 ラナがロール貝三つでいいといってくれたが、ただ三つではネリアの気が済まない。 せっかくならおっきいヤツを採ろうと意気込んでいた。 ともすれば、当然握る力もこもるわけで、ああもなる。 「あっ!ごめんごめん! 大丈夫?ネッテちゃん。」 ようやく気付いたネリアだったが、当の本人は白い泡を吹きかけていたのだった。 「……………ハァッ!! あーーー、死ぬかと思たわ……」 「ごめんね、ネッテちゃん! お詫びに君にはロール貝捜索任務を与えよう!!」 しかしあまり悪びれる様子もなく、朝の仕返しかの如く、笑顔で頼んだ。 屈託のないいい笑顔で。 「あーー、もう!わかったわ! ネリアもちゃんと探しいや!」
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