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「わかってるよ~
よし!私も探すぞー!」
ネリアは気合いを入れるかのように、腕を捲り、裾をたくし上げた。
海岸一面に広がる砂浜。
そこには波が寄せては返し、澄んだ碧を優雅に魚たちが泳いでいる。
所々に見られる岩辺から、カニがひょこっと顔を覗かせる。
海鳥が空を舞い、そう遠くない森から虫の合唱が聞こえる。
「ロール貝は、、どこかな?」
ネリアはそんな密かなお気に入りの場所に、自分の足跡を残していくかのように、砂浜を歩いた。
ロール貝は波打ち際の岩の近くに生息する、見た目もそのままに上向けへ渦巻いた白い貝だ。
中の身を食べるもよいが、小さいためどちらかといえば、その外見を用いた飾り等に使うことが多い。
「ここかな~?」
ネリアは水辺に足を入れながら、岩の裏を見る。
そこには少し小振りなロール貝がたくさんあっ………
「………………あれ?」
人の姿があった。
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