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「設計図や工具は提供できます。値段もそこそこ張りますが、なんなら異世界の掘削機とかもお貸し出来ますよ」
これくらいで、と行商が三本指を立てる。
「パ、パン三個分?」
「バカ言わないでください。三億コルドです」
とんでもない大金を申し渡された。
三億コルド。小さな町程度なら丸ごと買い取れそうな値段である。
「ちなみに下水器具と配置の図面だけならお値段はグッと下がります」
カタログの後ろから三番目です、との言葉の指示を受け、私は先の冊子を捲りページを見る。
…………うん。
確かに先に言われた値段に比べれば屁みたいなものだ。でも、だいたいうちの食費の半年分以上は余裕でかかる。
「まけてくれない、かな?」
「ダメです」
「ちょっとでいいからさ……」
「無理ですって。結構ギリギリなんですよ。異世界のモノ持ち出すってだけで、バカみたいに労力いるんですから」
曰く、次元の神様から修正の力が働くらしい。
そのため、一番持ち出したいらしい"ブラックパウダー"は未だに持ち出せないとか云々。世界をひっくり返す革命なるとかならないとか。
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