第37章~最大の敵は・其の五~

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この官兵衛の言葉を聞き、鹿之介はくってかかる。 『挑戦状となるのがいけぬのですッ。それをそのまま捉えられ家康が和睦交渉が無かった事にして戦へと発展したならばなんとするッ。それこそ上様が思いに反して今日まで戦続きで疲弊する将兵を更に疲弊させる事になるのですぞッ』 そう鹿之介が口調荒く言うと、これを聞き官兵衛は。 『将兵の疲弊はわかる。だがな鹿之介殿。家康が上様の返答をそのまま受け取り挑戦状と捉えたとして戦になったら我々は困るのか?』 そう官兵衛は言い更に。 『将兵の疲弊は徳川・北条連合軍も同じであろう。何せ戦国最強と世に知れ渡る武田の将兵とつい先程まで戦していたのだからな。それと織田の軍勢や久家殿と茲矩殿と元氏殿。これらの手勢を越後の上杉の援軍に割いているとはいえ。我々にはまだ7万を超えた軍勢じゃ。それに対して徳川・北条連合軍は我々の半数程の軍勢。戦になっても総力戦になれば我々に勝利が舞い込む』 そう官兵衛が続けると、これを聞き鹿之介は。 『戦は数でするものではありませぬッ。戦略・戦術を駆使てするものですッ』 そう官兵衛に反論した。
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