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一方その頃…。
勝久より神西元通と、その配下500の他、三刀屋久祐300、米原綱寛200を勝久の好意で、与力として付属して、これら1000の軍勢を借り受けた剛志は、元通と馬を並べながら、出雲と伯耆の国境近くにある清水峠に差し掛かると、元通へ話かける。
『元通殿。この辺りで引き返そうかのう』
と突然、剛志は引き返そうと言った。
この剛志の言葉に、元通は『えッ!』と驚き、そして剛志へと。
『剛志殿ッ!出雲と伯耆の国境はすぐそこですぞッ!国境を越えれば米子城ですッ!なのに何故に戻らねばならぬのですッ!』
語気を荒くして元通は反論した。
これに剛志は首を横に振り。
『石見状勢が不穏できな臭くなれば…。これ幸いと我ら尼子が動くは必定。しかしながら毛利宰相の小早川隆景がこの機を見逃す筈がありませぬ』
と反論する元通に言った。
この剛志の言葉を聞き元通は…。
『…あッ!!』
と合点がいったようである。
そんな元通に剛志は更に。
『御屋形様以下尼子の軍勢を石見深く尼子軍を誘き寄せ。石見深くに釘付けにした上で小早川隆景は手薄となった出雲を狙う筈』
そう言った。
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