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半兵衛の言葉に守将の氏久を始め、補佐で老臣の立原久綱、出雲国衆の牛尾久信たちが安堵の表情を浮かべ、皆を代表して氏久が。
『そうじゃッ。我が尼子には守護神であるッ。龍神の化身が付いておるッ。毛利軍など恐れる事などないッ』
語気に精気が宿り、表情を明るくする。
氏久の発言に老臣の久綱、出雲国衆の久信も表情が明るくなり、力強く頷いていた。
一方その頃…。
安芸吉田郡山城を出陣した毛利軍7000は、出雲月山富田城を目指し、意気揚々と石見路を経由、出雲平野へと進み出ていた。
毛利軍を率いるは小早川隆景で、それに従うは隆景の宿老の梨羽宣平と椋梨弘平、毛利家最高首脳の1人の老臣で、隆景補佐の福原貞俊、毛利家一門に列なる宍戸隆家、安芸国衆の天野隆重と阿曽沼広秀らである。
出雲平野に出ると馬上の隆景は。
(再び出雲月山富田城を攻める事になろうとは…。草葉の陰で日頼様は嘆いておいでであろう。まことに日頼様には申し訳ない。また太平山にて志半ばで逝かれた兄者にも申し訳ない。とにかく我が命に替えても尼子の者共を一掃いたす)
と決意を新たにしていた。
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