第6章~西国に覇を唱えし者共~

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一品の赤旗の旗幟が、月山富田城の外郭の防御線の西、星上山に無数はためいていた。 ここは第2次月山富田城の戦いの時、毛利元就が本陣を据えた場所である。 小早川隆景は、この地に本陣を据えたのは、第2次月山富田城の戦いに勝利した時の縁起を担ぎ、今回も勝利を得ようと考えたためである。 第2次月山富田城の戦いでの毛利軍は、降った者共も含め3万5000程の軍勢であったが、今回は7000程の軍勢で、前回の時より5分の1の軍勢であるが、前回の時の尼子軍は1万2400程であり、今回の尼子軍は2000程なので、城攻めの条件である3倍の兵を、隆景率いる毛利軍は有していたため、問題はない。 それと隆景には7000程の軍勢しか、動かす事ができなかったためもあった。 それは備前・美作を有する宇喜多直家が、不穏な動きを見せ備中に攻めて来る、そんな情報も入ったためであった。 そのため隆景は、備中の守りとして、元就の九男で隆景の養子でこの年、12歳で元服させた小早川秀包を総大将に据え、重臣の乃美隆興と児玉就方を補佐に据えて、備中の守備をさせていたからである。
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