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先鋒の宍戸隊だけではない。
尼子軍から単騎で出て来た、剛志の姿は、毛利軍全体で注視していた。
毛利軍、小早川隆景本隊でも、尼子軍から単騎で出て来た、剛志の姿を捉えていた。
『何故か…?』
そう隆景は、そう言い思慮を始める。
(単騎で出て来るとは…?)
そう隆景は思慮。
(単騎…!!)
そして隆景はある事を思い出す。
『まずいッ!!』
そう声を発して隆景は、慌てて全軍に下知する。
『あの単騎で出て来たのは龍神の化身であるッ!!隆家殿に距離を取る様に伝えよッ!!更に全軍を後退させるッ!!』
そう隆景は下知して、隆景本隊から、各隊へ伝令が駆け出す。
だが…。
時既に遅かった。
先鋒の宍戸隊1000は、尼子軍から単騎で出て来た、剛志を囲み出していた。
これに剛志は。
『愚かな…』
と不敵な笑みを浮かべると、手にする龍神の太刀を、自分を囲む宍戸隊全体を斬る形で、大きく振ったのである。
剛志が龍神の太刀を大きく振ると、凄まじく切れ味鋭い風が、宍戸隊を襲い、 剛志の振るった龍神の太刀によって、一瞬で宍戸隆家と宍戸隊の将兵は、もの言わぬ遺骸に姿を変えていた。
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