第6章~西国に覇を唱えし者共~

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撤退する隆景を見送りながら貞俊は、隆景の後ろ姿に、寂しげな表情で別れを告げる。 『隆景殿…。日頼様が築き上げた毛利家を頼みましたぞ…』 そう貞俊は言い目から一筋の熱いものを流していた。 そして、貞俊は悲しさを振り払い、背後に控える天野隆重と阿曽沼広秀の方を振り返り、隆重と広秀に告げる。 『では参ろうかのう』 そう貞俊が言うと、隆重と広秀は力強く頷き、それを確認した貞俊は、混乱して逃げ惑う将兵を掻き分け、迫る剛志のもとへと向かった。 剛志のもとへ向かいながら貞俊は。 『我と思う者ッ!!儂に付いて参れッ!!これより龍神の化身を討ちに参るッ!!』 と声を張り上げながら突き進む。 この貞俊の呼び掛け、この貞俊の呼び掛けに、数百名の命知らずの強者が集い、貞俊と隆重、広秀の3将に従って、剛志を倒しに向かった。 そして…。 貞俊たちは剛志の前に立ちはだかる。 これに剛志は。 『愚か者。我は龍神の化身ぞ。お前らがいくら挑もうとも。我を倒す事などできぬわ』 と微笑を浮かべる。 そんな剛志へ貞俊は。 『それでも挑まねばならぬ』 と覚悟を決めた表情を、剛志へと向けていた。
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