第6章~西国に覇を唱えし者共~

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そんな貞俊、そして背後に控える隆重と広秀、更に数百名程の将兵たち、この者たちの覚悟の表情を見渡した剛志は、一度瞬きをしてから微笑を浮かべ、徐に口を開く。 『それ程に死に急ぐ事もなかろうが…。小早川隆景を逃すためとはいえ我に挑んでこねば生き永らえる事もできるものを…』 そう剛志は言うと、溜め息をつき更に。 『愚かとしかいい様がない。まぁそれも致し方無しか』 そう剛志は続け、龍神の太刀を振り上げ、そして貞俊たちを斬り裂く様に、降り下ろした。 剛志が龍神の太刀を降り下ろすと、凄まじく鋭く、空気を斬り裂く様な風が、貞俊たちを襲い、その風によって貞俊たちの体は、紙切れの如く吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。 そして貞俊たちはものを言わぬ遺骸に姿を変えていた。 その光景を後方で見詰めていた神西元通は。 『まさに神の所業か…』 と呟き、月山富田城内で剛志が起こした、光景を見詰めていた竹中半兵衛は。 『これは戦ではない…。一方的な殺戮…。剛志殿はまさに龍神の化身。これが龍神の化身の力か…』 と驚いていた。
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