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『羽柴殿は良くやって下さる…』
高倉山の羽柴秀吉の陣を見詰め鹿之介は、秀吉に感謝する様に呟いた。
鹿之介が言う様に、高倉山の羽柴秀吉の陣では、篝火や松明を動員する兵力より多く焚き、昼夜を問わず、毛利方に大軍がいる様に思わせるため、喊声を将兵に上げさせていた。
これが鹿之介には嬉しかった。
例え羽柴勢だけしか援軍として、高倉山に来ていない、そう分かっていても…。
『三日月か…』
そう鹿之介は夜空を見詰め呟き…。
気づくと手を合わして祈っていた。
『我の願いを聞き届けて下され…』
『我が願い尼子家の再興の願いを聞いて下さるならば…』
『その代償として我に七難八苦を与えても構いませぬ…』
『どうか我が願いを聞き届け下さりませ…』
そう鹿之介は主家の尼子家再興の願いを述べた…。
すると…。
鹿之介の耳に…。
いや鹿之介の頭の中に…。
『お前が願いを叶えてやろう』
そう言う言葉が響き渡った…。
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