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ティターニア
「ああ、一目見たときから
いつもと違うこの気持ちを、
なんと表現したらいいか…!
胸を締め付けられ、
忘れられないこの気持ち。
満月を眺めていた翌日に
三日月へと姿を変えて
私の反応を楽しんでいるの?
違うなら、どうして。
どうして、私に会いに
来てくださらないの。
ああ、教えてヘレナ。
私は、どうしたら……!」
ヘレナ
「ティターニア様、
どうか落ち着いてください。
きっと城を抜け出すには、
百人の兵の目を
誤魔化さなければ
なりません。
ティターニア様が思うより、
ここへ目を盗み、耳を隠し、
来るのは大変なのです。」
ティターニア
「────……そう。
そうよね。私がただ、
待っていたいと願うから
いけないんだわ。」
ヘレナ
「お分かりですか。」
ティターニア
「ねえヘレナ。力を
貸してほしいの!」
ヘレナ
「はい。なんでしょう?」
ティターニア
「私が会いに行きたいわ。
どうすれば、行けるかしら?」
ヘレナ
「…………は?」
ティターニア
「私は、私の相手を、
自ら探したいの!
力を貸して!」
ヘレナ
「正気ですか、ティターニア様
ティターニア様は貴族。
このような戯れは
許されない行為で
ございます。 」
ティターニア
「それならば、ヘレナ。
見逃して。
私は、この気持ちを、
どうすることも
出来ないの。」
ヘレナ
「ティターニア様……」
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