第9章

39/83
前へ
/313ページ
次へ
『そうですか、で、今日はどうしたんですか?』 僕が突然来た事に疑問を持ったのか帰る話もそこそこに僕に問う。 『三成さんこの頃変わったことはありませんか?』 僕が三成に近頃の事を聞くと、 ━『光、待―ってくれ……』 と利三が比叡山の階段を上がってきた。 後ろから天海がついてくる。 『こ、光、は、早すぎる……ぞ』 利三は息をあげながら僕に言う。 『二人とも遅いですよ』 僕は利三に軽口を叩くと、 『すまない』 ━━天海に謝られてしまった。 『天海殿……』 『久しいのう、三成殿』 驚く三成に天海は何事もなかったように挨拶をする。 『光、こちらの方は?』 利三は僕の耳元でそっと聞いてきた。 『三成さんですよ』 、
/313ページ

最初のコメントを投稿しよう!

813人が本棚に入れています
本棚に追加