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「‘勘違い’のことについてかな?」
「・・・・・・はい」
沖田はその場に座り、桜を見つめる
桜は顔を伏せたまま動かさないが、どこか泣いているように見えた
「沖田さんは、本当にとても優しいんです。だから、私が化け物だってわかっても、私のことを好きだって言ってくれた。
けど・・・やっぱりそれは沖田さんが優しいから起こった勘違いで・・・私はここにいちゃいけない存在なんです・・・!」
「・・・・・・・・・・・・で?」
「・・・え?」
沖田は桜を優しく見つめながら、予想外の言葉を口に出した
桜は驚いて顔を上げる。 その顔は涙でぬれていた
「やっぱり泣いてた。 さっきから勘違い勘違いって言ってるけど、勘違いしてるのは君のほうだよ?
てゆうか、それ以上言ったらさすがに僕も怒るし」
「で、でも・・・! 私は、化け物で、ここにいちゃいけな、い存在で・・・!! 今日だって、私、がヤタガラスで
水無月の姫だ、から起こっちゃった事、だし・・・!! 皆さんにも、沖田さんにも、私これからたくさんご迷惑
かけるんですよ!? だから・・・!」
涙で言葉が詰まるが、桜は必死で喋ろうとする。
対する沖田は、どこかむっすりとした様子で口を開いた
「それ以上言ったら、僕怒るって言ったよね? はい、お仕置き」
「ふぇ・・・? んっ・・・!」
お仕置きという言葉に驚いて、桜は顔をさらに上げた
すると、先ほど見たときより沖田の顔が近くにあった
桜の唇には、柔らかく暖かいものがあたっている
ちょうど、雲に隠れていた月が出てきて桜と沖田を照らした
そして、やっと桜は認識することが出来た
(私・・・沖田さんと口付けしてる・・・?)
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