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「なにやってるんだ、てめえら!」
「「「土方さん!!」」」
廊下から現れたのは土方歳三。後の新撰組副長を任される人間だ
「桜は早く着替えろ!総司と平助はそこに正座!」
「で・・・でも・・・」
沖田が言い返そうとしたとき、
「早く!そこに座れ!」
「ひゃいぃい!」
「桜。お前はすぐに着替えて来い。さらしは棚においてある。」
「あ、は、はい!」
そういって桜は駆け出す。残ったのは沖田と藤堂。そして土方。それと申し訳なさそうに廊下から顔をのぞかせる近藤だ。
「近藤さん、出てきてくれねぇか?そこにいられるとどうも落ちつかねぇ。」
「す、すまないな。俺はこれで退散するよ。」
「そうか?」
「ああ。」
((近藤さぁあぁああん!!行かないでぇええぇ!))
沖田と藤堂の叫びはむなしく、2人の脳内に響きわたる。
「さて・・・。事情を聞かせてもらおうか?」
「ひ、土方さん。俺はその・・・」
藤堂が弁解しようとすると、
「問答無用!黙ってろ!」
「はい・・・」
「・・・・・・で?なんで桜があんな格好で座ってたんだ?」
「それは・・・・その・・・・」
沖田はしどろもどろになりながら、土方に弁解をしようとする。
「はい!総司は桜を襲ってました!これは紛れも無い事実です!」
藤堂はどこか誇らしげに土方に話す。
「総司!お前なにやらかしてんだ!ましてや、桜をだと!?」
「だから誤解ですってば!それに僕と桜ちゃんは初対面ですから!
ていうか、何で近藤さんや土方さんや平助は知ってるの?
もしかして知らないの僕だけ?」
沖田は小首をかしげ土方に聞く。
「ああ、そうか。お前あのとき寝てたんだったな。」
藤堂が思い出したように呟く。
「あの時って?何の話?」
「桜は、近藤さんの親戚だ。剣の腕が相当立つらしくてな。一度、試衛館にも
試合をしに来たんだ。
それで、うちの門弟を全員なぎ倒して帰った。」
土方は、さも当然と言った様子で言った。
「門弟なぎ倒してって・・・・凄いじゃないですか!」
沖田はどこか期待を込めた言葉で話す。
「ああ。桜の腕は相当な物だ。三つのときに父親に剣術を教えてもらったと言っていた。
ちなみに、桜は俺や近藤さん、平助に原田や新八までなぎ倒して帰ってたよ。」
「あれは痛かったなぁ・・・。俺しばらく起き上がれ無かったよ。」
藤堂と土方は何かを思い出すと二人そろって寒くも無いのに震えた。
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