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『じゃあ、今の新撰組の幹部たちは全部で十五人なんですね・・・?』
闇の中にまだ幼い女子の声が響く
『はい。局長、副長、総長を合わせて計十五名です』
続けて聞こえたのはまだ若い男性の声
女子は微笑を浮かべ、男に話す
『よくやってくれました。・・・・・・それにしても、仲間を売るなんて・・・あなたはひどい人間ですね。
‘山南さん’』
『すべては美麗様のため・・・。あのような者達は仲間などではございません』
山南とは京に上がったときからずっと新撰組の仲間だった人間だ。
まるで、実の兄のように皆に接する彼は皆から慕われていた。
しかし、彼は今美麗の前で跪いている。
『まぁ・・・。 本当にひどいお人ですね。 これからもお願いしますね、新撰組の‘間者’として』
『はっ!』
そういうと、山南は美麗の下を去った。
美麗は微笑を崩さずに、後ろの影に向かって話す
『話は聞いていましたよね・・・? 頼みましたよ、以蔵』
『・・・御意』
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