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「は、原田さんに平助君!? ななな、何もしてないって! 別に変なことなんてしてないし、ましてやいかがわしい想像なんて絶対してないから!」
「いや、そこまでは言ってないんだが・・・」
顔を真っ赤に染め、手を左右に激しく振って否定する桜を、原田は呆れ顔で見つめる
「なんだ? まさか本当にやらしいこと考えてたのか~? うっわ~桜はずかし~」
その原田の態度とは裏腹に、藤堂はにやにやと笑いながら桜に言う
「ち、違うって! ただ・・・その・・・」
桜は一昨日のことを思い出す
自分を強く求め、深く愛してくれた沖田――
あの切ない吐息と声は、まるで心を溶かすほどいとおしかった
「で・・・でも・・・・・・うう・・・私、一体どうしたら・・・?」
「・・・・・・なぁ、左之さん。あれって俺らの声聞こえてねぇよな・・・?」
藤堂は冷えた目で百面相をする桜を見つめる
「そっとしておけ。 たぶん桜は今病気だ」
原田は優しい笑みを浮かべ、藤堂に言う
「え、びょ、病気!? それってやべぇじゃん! 土方さんに山崎君に相談したほうがいいのかな!?」
「・・・・・・お前は本当にガキだな。 ほっとけほっとけ。あれは総司にしか治せねぇ病気なんだよ」
原田は藤堂の頭をポンポンと叩きながら説明をする
「納得いかねぇー! なんで総司なんだ!? 病気なら山崎君のほうがぜってぇいいじゃん!」
「だからお前はいつまでたってもガキなんだよ。 あれは世にいう『恋の病』だ」
「ふぇ? な、ど、どういうことだよ、左之さん! もう少し詳しく分かりやすく!」
藤堂はほほを赤く染め、原田に必死で頼み込む
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