始まり

3/20
前へ
/213ページ
次へ
彼女の名前は、 『水無月桜』 後の世には残らないが、儚く、そしてほかのどの武士よりも美しい生き様を残すであろう者。 彼女は、白く細い指先で試衛館の扉を開いた。 「失礼します、近藤おじさまはいらっしゃいますか?」 鈴を転がすような可憐な声、そしてその可憐さの中にも強さを見せる魅惑の声。 「ん?君、だれ?」 通路の奥から出てきたのは、若く、そして美しい青年。
/213ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加