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「はい、知っております。近藤おじさまから何回も聞いていますから。」
「え~、知ってたの?」
「はい。うれしそうに話していましたよ。うちにとってもいい内弟子が来たって。」
「ふ~ん・・・・、ねぇ、使いって何?」
「そうでした、近藤様にこれを。母様からの預かり物です。」
桜は、白い紙切れを沖田に手渡した。
「なにこれ、手紙?わかった、渡しておくよ。僕これから稽古だから、じゃあね。」
稽古。
その単語を聞いた瞬間、桜は期待を込めた目で沖田を見た。
「稽古・・・。木刀を使うんですか?」
「え?うん、天然理心流はもっぱら木刀だからね。」
「私も混ぜてくれませんか?」
「は?」
「ですから、私も稽古に混ぜて欲しいんです。」
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