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「年なんて関係ありませんよ。それより、早く試合を始めませんか?」
「あ、う、うん・・・。」
沖田と桜は正眼の構えで木刀を持つ。
「本気で良いんだよね?」
「はい。手を抜いたら怒りますよ。」
「それは・・・。怖いなぁ!!」
ガッ!
木刀同士が生み出す鈍い音が響く。鍔迫り合いだ
「さすが・・・沖田さんですね。とっても強いです。」
「当たり前でしょ。僕が本気を出したからには・・・・」
沖田は木刀を思いっきりはらい・・
「きみ、死んじゃうかもね。」
「それじゃ、困りますよ。私まだ嫁入り前ですよ?」
軽口を叩き合っているが、彼らが行っているのは鍔迫り合い。
けして和やかな物ではない。
「私もやられてばっかりじゃないですよっ!」
ガッ!
桜は、瞬時に木刀を沖田の喉元へ突き出した
「おっと・・・。喉元を狙ってくるなんて、君、本当に怖いね」
「いいえ。沖田さんには負けますよ。」
沖田も、先刻桜の喉元を狙って突き出したところを桜が止めた。
戦力は五分五分。いや、桜のほうが一枚上手かもしれない。
桜は的確に人間の急所を狙ってくる。沖田でなければきっとすでに亡骸になっているだろう。
「このままだと、僕、死んじゃうかな?そろそろ、終わりにしようかっ!」
「っく・・・。」
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