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ヒュッ・・・。
木刀が風を切る音が聞こえた。それと同時に・・・
ビリィイイィイイッ!!
「「え?」」
最初に出た声は一緒だった。だけど次に聞こえた声は違った。
「い・・・い・・・いやぁああぁあああぁああっ!」
「うえぇええぇええええ!?」
音の正体は破れた桜の道着とさらしだった。
「お、沖田さん!お願いですからこっち見ないでください!」
「は、はい!」
いま、後ろを振り返ったら桜の膨れた女子の肢体が見れたであろうが・・・・
沖田にそのような度胸はなかった。
「あ・・あの・・ほんとごめん!今さらしとってくるから!」
「すみません・・・。あの、出来るだけ早くお願いします!ああ、こっち見ないでください!」
「ごめんなさい!!」
桜と沖田がそんなやり取りをしていると・・・
「お、おい!何だ今の叫び声!桜の声だったぞ・・・って。」
「平助君!あのね、さらしを取ってきて欲しいの!」
道場に駆け込んできたのは、藤堂平助。
後に、新撰組八番隊組長を任される青年だ。
桜とは、以前数回甘味を食べに行ったことがある
「・・・・・・・。」
「へ、平助君?あの、早くさらしを・・・」
「平助・・・?」
「近藤さああぁああん!!総司が桜を襲ってるぅぅううぅうう!!!」
「なんだってぇええぇえええ!?」
廊下から近藤の声が聞こえる。藤堂は細かく震えながら近藤に訴え続ける。
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