ココアと数学ゲーム

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「私も……」 「ん?」 彼女は膝元にあるマグカップの縁をしばらく見ていたが、やがて顔を上げ、真っ直ぐ目を合わせて言った 「私も、冒険に連れていってほしいです!」 ふーん…… 俺はココアを少し口に含んだ 彼女はそれを見て、俺に失礼だと思われたと感じたのか、また俯いてしまう 大きな声を出したからか、恥ずかしそうにモジモジしている しかし、俺の隣の椅子を退こうとはしなかった こんなに真剣に教えを請う人は珍しいだろうな 彼女の台詞を言い切った時の眼は、実に力強かった 「分かった」 「本当ですか!?」 さっきまでのモジモジとは一転、まるで輝いてみえるほど嬉しそうにはしゃいでいる そこまで喜ばれると、悪い気はしないな こっちまでつられて表情が綻ぶ 「ああ、ちょっと散歩程度にな」 「やった!!よろしくお願いします、先生!」 「クロさんで構わない。だいたいの生徒からはそう呼ばれる」 「んーと、じゃあクロ先生!」 どうやら緊張が解れてきたらしい 彼女は一気に元気になってはしゃいでいる 「ああ、それでいい。君の名前は?」 「遥香って言います。ハルって呼んでください」 「分かった。じゃあ始めようか」
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