ココアと数学ゲーム

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俺は机の上を少し片付けて、レポート用紙を六枚用意した ハルは椅子を机に寄せて、見やすい位置に移動してきたらしい その正面に、レポート用紙を三枚分けてよこす さて、じゃあアレを話そうかな 暖かい準備室で、好奇心旺盛な少女と数学をする 少し騒がしいけど、楽しいかもしれない 「さて、今から66+67+68+69+70+71+72+73+74+75を、賢く計算してみようと思う」 「えっ、えっ、何が足されました?」 いきなり大量に発生した数字に、少し戸惑う様子のハル 俺は紙に書いてもう一度説明する 「66から十個の自然数だ」 「し、しぜんすう、ですか……?」 ハルはますます混乱しているようだ 傾げた頭の上に、ハテナマークが実体化して浮かび上がっているようだった 「整数は分かるか? 整数のうち、プラスのものを自然数という。お風呂で自然に数える数だ」 「お、なるほど……。つまり、66から"普通に数えて"十個の数を全部足すんですね?」 「そうだ、いくつになる?」 「ちょっと待ってくださいね……」 そう言ってハルは必死に筆算を始めた。 66、67、68、69………。順調に数が足されていき、ついに最後まで足された
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