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それを持って台所から戻り、ベッドに座る彼女に差し出す
その間、彼女はどうやら辺りを見回して、状況把握につとめているらしかった
彼女は、差し出されたココアを遠慮がちに受け取って、会釈をする
「あのっ」
「ここは雪草学園という、しがない小さな私立大学。俺はその数学講師で、名前はクロウだ。同じく化学講師のフランというやつと一緒に、この学園の正面で行き倒れていたお前をここに運んできた。これでいいか?」
「あっ、えーと、はい、大丈夫です」
「とりあえずしばらくはここにいて構わない。好きに過ごしてくれ。この天気に帰すわけにも行かないからな」
俺はそう言いながら机に戻ろうとする
さて、勉強に戻ろうかな
「あ、あのっ」
「まだ何か聞きたいのか?」
振り返って彼女の方を見ると、彼女は真っ赤な顔でうつむき、なにやらもじもじしている
そして、深々とお辞儀をする
「……ありがとうございました」
「………チーズケーキのためだよ」
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