回想終わり

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  「――以上、僕がこの眼鏡をかけることになった経緯でした」 「以上!?え、このあとどうなったんですか!?どうしてそんな真面目な人がこんなんになっちゃったのか、全然わからないんですけど!ていうか、それ伊達だったんすか!?」 「失敬な。僕は今でもとても真面目じゃないか。先輩に向かってこんなんとか言うように育てた覚えはないよ、心くん」 「育てられた覚えもありませんけどね。そもそも、これって翔さんと玲さんとの馴れ初めの話じゃありませんでした?何で伊達眼鏡をかけた理由になっちゃってんですか」 「だから、この眼鏡を玲さんから授かり、僕は覚醒し、玲さんに翔にぃと呼ばれ慕われるほどに成長し、今に至るのさ」 「なんか一番大事な部分省かれちゃってる気がするんですが……まぁ要するに、その眼鏡が玲さんと翔さんが付き合うきっかけ、及び翔さんがこんなんになっちゃった原因なんですね」 「まー、そういうことだね」 「つまり、その時玲さんと翔さんが廊下でぶつかったり、その眼鏡をもらったりしなければ、翔さんは真面目で堅物なただの優等生だったと……」 「まー、そういうことになるね」 「因みに、銀さんは今の話知ってたんですか?」 「いや、知らなかった。俺もその時一緒に生徒会に入ったんだが、既にこんなんだったぞ」 「眼鏡をかけた瞬間覚醒したからね!」 「くそう、そうと知っていれば、こんな眼鏡はすぐに叩き割っていたものを……あの頃ならまだ間に合ったかもしれないのに……」  
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