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勝手に勝負して勝手に指を切るという、なんともバカらしい光景。
ジオはすぐ気づき、包丁を動かす手を止めていた。
「バカ、また集中してなかったのか?」
「集中してたつもりなんだけどな……」
勝負がちらついて、確かに集中してなかったかも。
絆創膏……サラはリビングの方を見た。そのサラの左手がとられる。
そして人差し指に違和感。サラは振り向いてみた。
「ちょ、ちょっと!?」
ジオがサラの指をなめていた。
「こうすれば血は止まるだろ?」
「あのさ、私の血……」
「オレ、サラの血、適正だし。つーかなんで顔真っ赤なんだよ」
「それは、暑いからだよ」
今は秋。
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