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そんなわけだからかなり無理がある言い訳だ。ジオはヘェーと目を細くする。
「暑いんだ~、秋なのにね~」
「え、えっと、その……お湯沸かしてるから……」
「最初がそれだったら信じたけどねー。どもってるし」
サラはカーッと顔を赤くした。プイと顔を背け、リビングに早足で向かう。
救急箱を出して絆創膏を取り出す。サラは口に人差し指を入れたまま、絆創膏を持って水道へ。
「それ、間接キスじゃない?」
「ん……」
サラは少し考えて、人差し指を口から出した。ジオがからかうように笑う。
「かわいい、照れちゃってさ」
「また私で遊んでる」
「怒ってる顔もかわいい」
「……もう!」
サラは人差し指を水で洗った。
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