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ジオが包丁から離れてサラに近寄る。わざと耳元でささやいた。
「好きだよ」
サラはムッとした顔でジオを見た。顔は熱いまま。
「なんでもそうやって言えば許してくれるって思ってるよね、絶対」
「そうでもないよ? 嘘言ってないしさ」
「いい性格してるよ、まったくもー」
サラはジオから顔を背けた。にやけてしまいそうで怖い。
指に絆創膏を貼り、その人差し指を眺めた。
「ん? バンソーコーになんか書いてある」
「ソーコー……いや、なんでもないよ」
サラがギロリと睨んだので、ジオはあわててからかうのをやめた。
サラは頬を膨らませながらも、ジオに人差し指を見せる。
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