9月5日の悲劇

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「当たりっ!覚えててくれて凄く嬉しいです」 挨拶された時の事を思い出してそう答えると彼は嬉しそうに笑った。 なんか、懐いて尻尾振ってるわんこみたい。 思わずつられて笑ってしまう。彼は警戒心を解く魔法でもかかってるんじゃないかってくらい裏表のない表情をする。 きっとどんな人にも好かれるんだろうな。 羨ましくて、少し眩しい。 「三枝さんが違うとなると、綾さんは彼氏とかって、いるんですか?」 「あっ・・・うん。ここの人じゃないけどね、付き合ってる人はいるよ・・」 彼氏がいる事はうちのスタッフには周知の事実で、あまり聞かれ慣れない質問になんか恥ずかしくて声が小さくなる。 付き合って3年たつ彼氏は私と付き合うにはもったいない程顔が良くて性格も良い。あんまり話すと自慢みたいになっちゃうから嫌であんまり普段はあまり話さないんだけど、彼は聞き上手で処理をしながらつい彼氏の話をしていた。 「ノロケ、ごちそうさまです。まぁ、綾さん可愛いから彼氏いるのは当たり前か」 「おばさんにお世辞言っても何も出ないよ?」 「おばさんって・・。お世辞じゃなくて本当の事言っただけですよ」 「27歳はもうおばさんです!」
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