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「会計終わったらこのキーを押して、お釣りを返す」
「はい!ここですね」
「うん、そうそう。間違えたらレシートの伝票番号入力して、このキーを2回押してね。そうしたら取り消し出来るから」
小林くんは賢く、1日でレジの扱い方は覚えてしまった。私が言った事はすぐメモに取って書き残す。この作業が出来ない新人をたくさん見てきた事もあって彼のやる気ぶりに嬉しくなった。久しぶりの期待の新人ぶりと彼の人柄のせいか、私も教えてて楽しくなってきて、閉店を迎えるような時間にはだいぶ慣れて普通に会話出来るようになっていた。
「おっ、やってんな、新人」
私が小林君のそばに立って教えていると聞き知った声が耳に入り顔をあげた。
意地悪そうな笑みを浮かべた黒髪のクセっ毛の男が片手をあげてカウンタ―内に入ってくる。
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