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「三枝さん、遅い!もうすぐ閉店時間なんだけど」
「悪ぃ悪ぃ、だって月初めの書類今日までって言うんだぜ、俺なーんにも手つけてなかったからさ」
「それ、いつもの事じゃないですか!ほんっと毎月毎月学習しないですね」
いきなり始まったやり取りに目を白黒させる小林くんに気づき、そういえばこの人が今日何も挨拶してなかった事に気づいた。伸びそうな程三枝さんの服を無理矢理引っ張って彼の前に立たせる。
「ね、三枝さん。小林君に挨拶しました?っていうか、小林くん、された?」
「いえ…挨拶してないですね。今日から入った小林誠一郎です。三枝さんですか?よろしくお願いします」
確認すると案の定してなかったみたいで、小林くんは最初の挨拶みたいに爽やかに頭を下げた。
「ほら、三枝さんちゃんと挨拶してください。っていうか社員なんだから夕礼の時にしておいて下さいよ」
「はいはい、ったく綾はうるせーなぁ。俺は三枝 学(サエグサ マナブ)。一応ここのレンタル担当社員」
「こんなのでも社員だから、もし困った事が起こったらこの人に確認とって指示仰いでね」
そう説明すると怪訝そうな顔で返事をされた。
まぁ、こんないい加減そうな人が社員なんて疑問に思うよね。私も最初思ったし。それでも一緒に働けば三枝は仕事に関しては出来る人ってわかるから。それが不思議を通り越してムカつくけど。
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