始まり

6/6
前へ
/16ページ
次へ
下界の穴に向かうと朔が待っていた 「遅いっすよ」 「すみません。色々やってまして」 朔は嬉しそうにそわそわしていた 「いよいよッスね。師匠」 「そうですね」 飛輪は悲しい顔をしている 「師匠は楽しみじゃないんッスか」 「いえ、楽しみですよ。ただ…天照様のあの顔が思い出されて…」 飛輪はハハっと笑った 「師匠、それって…」 朔が何か言おうとしたとき 「飛輪様…」 そこに木葉咲夜毘売(コノハサクヤビメ)が立っていた 「木葉様」 「行ってしまわれるのですね。とても残念です」 木葉咲夜毘売は顔を朱くしてもじもじしている 「飛輪様に前々からずっと言おうと思ってる事があるんです」 「何ですか?」 「あの、飛輪様の事が…す、すすすす好きです。ひ、飛輪様はわ、私のことどう思ってますか?」 飛輪はニコッと笑う 「私も木葉様のことが好きですよ。天照様も宗像三人娘様たちも。必ず帰ってくるので待ってて下さいね?」 「は、はい」 木葉咲夜毘売はうっとりとしていた 「さあ、朔行きましょうか」 「師匠の鈍感たらし」 「何のことです?」 飛輪は下界の穴へ飛び込んだ 「あ、待って下さいッス」 「お気をつけて」  
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加