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下界の穴に向かうと朔が待っていた
「遅いっすよ」
「すみません。色々やってまして」
朔は嬉しそうにそわそわしていた
「いよいよッスね。師匠」
「そうですね」
飛輪は悲しい顔をしている
「師匠は楽しみじゃないんッスか」
「いえ、楽しみですよ。ただ…天照様のあの顔が思い出されて…」
飛輪はハハっと笑った
「師匠、それって…」
朔が何か言おうとしたとき
「飛輪様…」
そこに木葉咲夜毘売(コノハサクヤビメ)が立っていた
「木葉様」
「行ってしまわれるのですね。とても残念です」
木葉咲夜毘売は顔を朱くしてもじもじしている
「飛輪様に前々からずっと言おうと思ってる事があるんです」
「何ですか?」
「あの、飛輪様の事が…す、すすすす好きです。ひ、飛輪様はわ、私のことどう思ってますか?」
飛輪はニコッと笑う
「私も木葉様のことが好きですよ。天照様も宗像三人娘様たちも。必ず帰ってくるので待ってて下さいね?」
「は、はい」
木葉咲夜毘売はうっとりとしていた
「さあ、朔行きましょうか」
「師匠の鈍感たらし」
「何のことです?」
飛輪は下界の穴へ飛び込んだ
「あ、待って下さいッス」
「お気をつけて」
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