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「飛輪すまぬな。忙しいときに呼び出して」
「いえ、構いませんよ。どうされましたか?」
右に天之御中主、左に高御産巣日(タカミムスビ)、中央に神産巣日(カミムスビ)が座っていた
この3人が揃うときはめったにない
「下界にいる妖が暴走している」
「日本の八百万の神から怪現象が多いと連絡を受けてな。夜麻登登母母曾毘売(ヤマトトモモソビメ)に透視してもらったらな…」
「妖を退治すればいいのですね?」
「うむ、我々はここから動けぬし、力の加減が出来ぬ。主なら出来ると思うてな」
「承知しました」
飛輪は頭を下げた
「あのぉ、3人に申し上げることではないと思うんですが、私は他の皆様の世話もしなくてはなりません。どうしたら良いでしょうか?天照様の面倒とか、伊邪那岐(イザナギ)さんと伊邪那美(イザナミ)さんの文通とか」
「心配性だな。大丈夫だ。天界便を使うようにこれから便りを配るから」
「住むところは」
「天界が所有する宿がある」
「私1人で?」
「他に連れて行きたい者がいれば連れて行けばよい。お主あまりに多く尋ねるが行きたくないのか?」
高御産巣日が眉をひそめ尋ねた
「いえ、そのようなことはないんですが、不安で」
「大丈夫。主には多くの友人がおるだろう?きっと助けてになる。それにこの妖の裏には何かあるのでな」
「わかりました。全身全霊で挑ませてもらいます」
『武運を祈っておる』
そう言うと3人は消えてしまった
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