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『…………タンパク質、EAA、EFA、EPA、ミネラル、呼吸――全て問題はありません。 検体の正常を確認しました。』
んん……うるさいなぁ……
俺がゆっくりと眼を開くと、
無機質な声が鳴り響いていた。
『これよりARISU計画を始動し、検体番号123番を排出します。』
その声は淡々としていて、感情が無い人間……まるで機械の様だ。
朧気な意識をはっきりさせるために眼を擦ろうとするが、手が動かせない……身体を動かそうとすると固い何かに阻まれた。
視界は暗闇に覆われていて、それが何なのか、自分がどんな状況なのかも、確認する事は許されない。
自分の背中に嫌な汗が流れたのを感じた。
ピピーーーー!!
突如、小さな音が鳴り響く。思わず身体を少し震わせた。
『開きます開きます』
そんな俺を嘲笑うかの様に再び無機質な声が鳴り響いた。
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