帽子の少年

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その声を聞いて、察していた事が確信へと変わる。 どうやら俺は機械の中にいて、閉じ込められているようだ。 これは、なんの為の機械なのだろうか。何故、この代物は俺を拘束しているのだろうか。目的はなんだ。疑問は尽きない。 俺が思考を張り巡らせていると、自分の身体が少し震えた。 別に怖いから震えている訳では無い。俺を閉じ込めているこの機械が振動しているせいだろう。 耳障りな音に混じって何か聞こえた。俺は耳をすます。 『開きます』という言葉通り隙間から光が溢れ始めた。 その光は瞬く間に広がり、闇の中に長く居たせいだろうか。暗闇に順応していた俺の目には苦でしかなく、上手く瞼を開くことが出来ない。
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