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捨てられた場所。
とっさにそう思ったのは、この洋館がとても古びていて、なおかつ汚かったからだろう。
ああ、思い出せない。ここも見たことがある気がするのに。
わたしは頭を掻きむしって、洋館に突撃する。
分からないことは見て思い出す方がいい。
黄金の怪物はすぐそばに迫っていた。
きっと、急いで中に入って扉の鍵を閉めれば、時間稼ぎぐらいにはなるだろう。
ああ急いで、わたし!
扉に手をかけた瞬間、怪物の手が肩にくいこんだ。
小さく悲鳴を上げ、反射的に振り払う。
金色の粉が舞い散る。
その感触を意外に思ったのと同時に、わたしは何者かによって洋館の中に引っ張り込まれていた。
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