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「おっと、間違えた」
軽薄にそう呟くと、人で言う顎にあたる部分を手で擦る。
真っ白な空間に佇むソレは小首を傾げて一考するもすぐに考えるのを止める。
(……まぁいいか)
ソレはそう思った。
ソレは一瞬だけ双眼を見開くと直ぐに目を閉じる。
(とにかく仕事はこれで終わり――後は次の仕事を待つだけだ)
「やっほー、遊びに来たよー。んで、用件は解ってるわよね?」
(……めんどくさいのが来た)
新しく現れたソレの仲間は露骨に嫌そうな表情を浮かべる。
「思考を読めるって知ってるくせに……わざとやってるでしょ?」
「はいはい、そうですよ。間違えて関係ない奴を一人殺しました。で、それの何が悪い」
仲間は溜息を吐くと口を開く。
「貴方の場合はそうかもしれないけど、生憎とこっちで困っちゃうわけよ」
「わかった。それは悪かった。ほら、これでもういいだろ?」
(早く切り上げて欲しい)
そう力強く想うと、仲間はそれを読み更に溜息を吐く。
「わかったわ。その代り、アフターケアーお願いね」
「ゲッ」
「頼んだわよ」
仲間はそう言うと、二の句を言う間もなく姿を眩ませる。
「待て、俺は絶対に……」
届かなかった言葉を途中で切り、ソレは大きくため息を着いた。
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