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「もし俺が天使ならば人のまま為せたやもしれん。しかしながら、破壊して道を敷く以外俺にはできない――それは俺が破壊神であるが故にな」
そして破壊神と名乗るソレは再び掌を彼に向け、炎を放つ。
受け取れ――という言葉と共に。
二射目の柴みの濃い青い炎が彼に纏わり着く。
炎は真黒の陽炎を覆い、そして神名彩斗がロイヤルブルーの炎を纏わせて地面にひれ伏す。
「二つ目の願いは無事に聞き届けた。どうした、"慣れ"とやらが必要なのだろう? 早く俺にも見せてみろ」
地面にひれ伏す彩斗は荒い息を吐きながら立ち上がる。
朧げな眼差しで破壊の神を見据える。
そして彼はわかった、と言って詠唱を始める。
「全てを断ち切る糸よ――」
それは三行から成り立つ神の御業。
その呪文を破壊の神へと向けて詠唱する。
破壊の神を中心に魔法陣が幾重にも折り重なる。
そして破壊の神の異変を感じながら彩斗は更に呪文を紡ぐ。
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