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  ************** 『あげは、起きてっ!あげは!!』 楓の切羽詰まった声に慌てて飛び起きた。 『早く!!荷物はもうまとめてあるから、早く逃げるの!!』 …何事…?! …パチパチパチッ…ボッ…ガランッ… 疑問に思った途端、微妙な距離から異様な音と闇の中に揺らめく灯りに、不安と焦りが押し寄せる。 「…か…じ…?!」 『早く!!!』 素早く肩にかけられた打掛は真っ黒なものに見えた。 『…こんなに早いなんて…だけど…』 何やら呟き始めた楓。 「…父上達を助けなきゃ…」 父上達の館へ向かおうと立ち上がりかけた途端、強く肩を押さえつけられた。 『…お館様達も父上も…助からない…』 瞳に涙をいっぱいに溜めながら、首を横に振る楓。 「…ど…して…? …やだぁっ!父上達を助けるっ!!楓、離してっ!!」 どんなに喚いても、楓は肩に置いた手を離そうとはしなかった。 ・
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