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《影踏み当日》
『優!今日だよ!影踏み』
『聡美…忘れてなかったんだ』
『うん!何かドキドキしてさっ!みんなが怖いって言ってるから余計?都市伝説に挑むみたいな?』
子供なんてこんな生き物かもしれない…
『でも…どこでやる?』
『私考えたんだけど…せっかくやるんだから例の事件があった学校は?近いし』
『あぁ…何年か前に三人が行方不明になったってヤツ?でも一人は見つかったんだっけ?』
『そこまでやらなくても………』
『雰囲気だよ!結局は何もないんだから!もしかしたら、私達の遊ぶ声でいなくなった二人が出てきたりして』
聡美はペロッと舌を出して笑った。
結局いつも聡美の押しの強さに負ける。
里菜と優は聡美に着いて学校を後にした。
バスに乗り20分位で目的地の町に着いた。
普通の町だ……
優以外はそう思った。
優はなぜか胸騒ぎがしていた。何かわからない…
実際に事件が起きた町だからか、優にだけは町がいやに静かに感じた。薄気味悪い静けさ……
その学校は簡単に見つかった。
まばらに生徒の声や姿が見える。
しかし…
校庭には誰もいない…
『お邪魔しま~す』
聡美が少し小さな声で挨拶をした。
それを見て二人はクスッと笑った。
優は少し考え過ぎだ。
怖いと思うから、余計に怖いんだ。
聡美みたく、楽しんでみよう、そう思った。
誰もいない校庭。
三人の影がスゥ~と伸びる。
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