繰り返された惨劇

2/4
前へ
/66ページ
次へ
《影踏み開始》     『じゃ!始めるよ…鬼は優ね』   屈託なく笑う。   『えっ…私が鬼?』   『最初じゃなくても、直ぐに捕まるから同じだよ』   どんな理由よ…… 逆らっても無駄。 長く友達してるからそれは良くわかっている。   『じゃ10数えるから、逃げて』   そう言うと、優は大きく息を吸い、数え始めた。     二人は楽しそうに方々に分かれた。   『…10。じゃ行くよ』     優はまず、莉奈を追った。 三人の中では、優が1番足が遅い。ただ、時間帯からなのか、やけに影が延びている。 これは、以外に楽かも優はそう感じた。   しかし、意外に影を踏む事は難しい。   莉奈を追って校舎の裏まで来た。   『……な…なんかここ変……莉奈?』     何とも言えない空気………… 歪んで感じる景色。   別の何かに見られている気配。   一歩足を踏み入れただけで、凄まじい何かを感じる。   空間が違う……… 霊感なんてない私ですら、感じる。 何か…………   『戻らなきゃ…』   あの校庭に戻ればきっと二人もいるはず……   私の勘違い……… 気のせいかもしれない……   優は一気に駆け出した。   【振り向くな】     一瞬声がした。 一瞬だが、ハッキリとした声。 優はその言葉通りに振り返らず、走り抜けた。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加