繰り返された惨劇

3/4
前へ
/66ページ
次へ
そんなに広いハズないのに… 走っても、走っても、異様な空間が続く… 優の頭には【振り向くな】 の言葉だけが、こだまする。   『ハァ…ハァ…もぅ…走れない…』 優はとぅとぅ校舎の壁にもたれかかった。     おそる、おそる来た道を見てみる。   しかし…… そこには誰もいない。    『…嘘…確かに誰かに追われてる感じがしたのに………』     優は直ぐ後ろに、確かに誰か… 何か……の気配を感じていた。   逃げきれた……… 本当にそうだろうか?     そんな事を考えている 優の目に信じられない光景が飛込んできた。   優は思わず叫ぶ!!!   『莉奈!!!逃げて!!!逃げて!!!』 叫んだ。絶叫。   しかし………… その願いは届かなかった……     それは想像を絶する光景だった。 優の見つめる先で莉奈が…………… 黒い影……自分の影に無惨にも食べられている……   里菜が優を見つめる。 何か……呟いている。   『影?…莉奈…影が何なの!!!莉奈━─………』     優はもぅ動かない莉奈を見てそれ以上言葉を無くした。     何が今起きたのか… 何が起きてるのか…     莉奈は死んだ。 それだけが、わかる事。   あの黒い影……… あれは莉奈の影?でも…影が何で?   聡美は?……… 影踏みを始めてから聡美を見ていない… 一気に不安が押し寄せた。    まさか…聡美も?考えたくない……でも今動き出す力がなかった。
/66ページ

最初のコメントを投稿しよう!

180人が本棚に入れています
本棚に追加