始まりの遊び

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小学校の放課後仲良しのアカリとのんちゃんと私はいつもの様に校庭に遊びにきた。 シーソーに腰掛けたわいもない話をしている。   私、美咲とアカリとのんちゃんは小学6年生のいわゆる仲良し三人組。 学校が、終わってもいつも一緒に過ごしている。   アカリはとにかく活発で頭の回転が早い!クラスでも人気者。   のんちゃんはおっとりして、優しい。対照的な二人… その中間に美咲はいる。 普通の子。   それぞれが絶妙なバランスでいい関係を築いているのだ。   『今日は何する?』 アカリが二人に聞いた。   『そうだね…』 のんちゃんが美咲をチラッて見た。   いつもなら自分から何かしたいなんて言わない美咲。   でもいつもアカリについて回るだけだと悪いなって今日は思った。     どうせ反対されるよ…クスッと笑って美咲は言った。   『影踏みは?』   意外にもアカリが 『いいね!影踏み!!やろう』   のんちゃんもフッと笑って 『影踏みかぁ…やろ』   と言った。   多少面食らったが自分の案が採用された事が少し嬉しくなった。     『じぁ…言い出しっぺの美咲が鬼ね』   アカリが楽しそうに笑って言った。     美咲も 『うん、いいよ』 と鬼になる。    ただの遊び…… 昔からあるただの遊び     影を踏まれたら踏まれた子が鬼になるそれだけの遊び……     今日までは…………
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