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気がつくと………
莉奈の姿もあの黒い影も無くなっていた。
優は立ち上がった。
このままここに居ても何も変わらない。
聡美を探そう。
そして、元の学校に帰るんだ。
校舎の壁つたいに歩き出す。
どれくらい進んだだろ…
角を曲がると校庭が見えた。
一瞬!心が踊る!!
『……出れた?…』
しかし、校庭の中央に無惨な姿で黒い影に食べられている
聡美の姿を見る……
莉奈同様に聡美もまた聡美自身の影に命を奪われたのだ………
その場に座り込む優……
優は混乱した。なぜ……
二人は殺されのか…
なぜ……
そして、私は無事でいる。
あの気配も感じない。
それは……
なぜかを知る必要があった。
優は必死に考えた。
私がやって……
二人がやらなかった事…
私に聞こえたあの声。
あの声は………
【振り向くな】と言った。
優は確かに振り返らず走った。
でも気配は迫っていた…
それだけではない事は優には
ハッキリわかっていた。
今は安全………
この空間にも安全な場所があるのだ。回りを見渡す。
『そうか……私は今、校舎の【影】にいる。私の【影】はない。』
それが正解かなんてわからない。
でも、考えつくのは、それだけだった。
今、優の孤独な戦いが始まった。
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