268人が本棚に入れています
本棚に追加
そして肯定。
『……アンタ、意味解ってないでしょ?』
『アベル様のことが超超超好きで、彼に甘えてしまう女性のことをやんでれと言うのでしょう?』
何も間違っていない。シェリーはアベルのことを愛している。時間があれば、彼に甘えたいと渇望する。
まさしく、やんでれだ。
『あー、私の言い方が悪かったかもなぁ。うーん、シェリー、私もヤンデレが良く解らなくなったから、調査してきてよ』
『……私がですか? 姉様がすれば――』
『忙しいのよ、色々と』
それにしてはボリボリと何か食している音が脳内に響く。あまり食べ物に詳しくないが、この音から察するに。
『姉様、お菓子の食べ過ぎは太りますよ?』
『うっ! い、いいじゃない! 精神衛生上、私には三食のデザートとお菓子が必要なの!』
『何キロ太りましたか?』
『さ、三キロぐらい……』
『そうですか。良かったです。姉様の駄肉が増えれば、その分、アベル様の寵愛を受けるのは私だけになりますから』
『――チッ。私もどうにかしてリザリアに行ければいいんだけど……』
悔しさと腹立たしさの孕んだ声音に満足しながら、シェリーは脱線した話を元に修正した。
『やんでれ、の定義を調査すればよろしいのですね?』
『そうねー。ちゃちゃっと終わらせられるわよ。身内贔屓かもしれないけど、アンタ、可愛いから』
最初のコメントを投稿しよう!