一章 やんでれ?

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 そして肯定。 『……アンタ、意味解ってないでしょ?』 『アベル様のことが超超超好きで、彼に甘えてしまう女性のことをやんでれと言うのでしょう?』  何も間違っていない。シェリーはアベルのことを愛している。時間があれば、彼に甘えたいと渇望する。  まさしく、やんでれだ。 『あー、私の言い方が悪かったかもなぁ。うーん、シェリー、私もヤンデレが良く解らなくなったから、調査してきてよ』 『……私がですか? 姉様がすれば――』 『忙しいのよ、色々と』  それにしてはボリボリと何か食している音が脳内に響く。あまり食べ物に詳しくないが、この音から察するに。 『姉様、お菓子の食べ過ぎは太りますよ?』 『うっ! い、いいじゃない! 精神衛生上、私には三食のデザートとお菓子が必要なの!』 『何キロ太りましたか?』 『さ、三キロぐらい……』 『そうですか。良かったです。姉様の駄肉が増えれば、その分、アベル様の寵愛を受けるのは私だけになりますから』 『――チッ。私もどうにかしてリザリアに行ければいいんだけど……』  悔しさと腹立たしさの孕んだ声音に満足しながら、シェリーは脱線した話を元に修正した。 『やんでれ、の定義を調査すればよろしいのですね?』 『そうねー。ちゃちゃっと終わらせられるわよ。身内贔屓かもしれないけど、アンタ、可愛いから』
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